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法螺貝 住職の法話

平成二十五年九月発行

「秋彼岸」

秋彼岸。お盆が終わって、あまり間を置くこと無くやって来る秋彼岸は、厳寒の冬の終わりを告げる春の彼岸に比べて、何となく影が薄いと感じられるのは、寒がりの小衲だけでしょうか?
 彼岸会というのは、日本だけの仏教行事であると言われます。昔、早良親王という方がおられました。この方、桓武天皇の弟君ではありましたが、母親が貴族としては身分の低い方であったこともあり、出家されて東大寺の僧となられました。ところが、後に世情の変遷により、親王は還俗、立太子される事となりました。これが親王の人生を大きく狂わせる事になったのです。早良親王は藤原種継暗殺に関与したとの咎で、淡路に配流される事に…。無実を訴える早良親王は食を断ち、哀れにも配流地に着く前に人生を閉じられたのです。
 早良親王が亡くなられた後、宮中で病が頻発し、人々はこれを早良親王の祟りであると恐れ、様々な祈祷が行われました。大同元年(八〇六)早良親王の追善の為に、春と秋に太陽が西の正中に沈む日を中日として前後三日間、金剛経を読むことが全国の国分寺で行われたというのが、彼岸会の始まりとされています。
 西は阿弥陀仏がおられる浄土の方向、そしてこれに太陽が沈むというのは、古の人々に静寂なひと時をもたらした事でしょう。現代はどうでしょう?なかなか夕陽をゆっくり見つめる事などありませんね。何しろ暗くなっても仕事は終わりませんから。こんな文章を書いていて、しばらく夕陽をのんびり見つめた事など無かったことに気付きました。

 

 
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