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法螺貝 住職の法話

平成二十三年三月発行

『帰家穏坐(きかおんざ)』

本年の二月と三月はインド・ブダガヤでの坐禅会、さらには私が兼務しているハワイ開教院での奉詠大会と多忙な日々を過ごしました。「忙しい」とは心を亡ずることで、坊さんが使うとは情けない!と昔、誰かに言われたことがありますが、小衲はこれでも正直なところがありますので、心も亡ずるほどの日々で多忙な日々であったと申し上げておきましょう。

多忙な日程をこなし帰国すると、日本の良さが分かります。宮城県、塩釜の良さが分かります。そして何より感じるのは自坊の有難味、家族の有難味であります。 禅の言葉に「帰家穏坐」があります。これは、久しい修行によって導かれる悟りの境地を、長い旅路を経て我が家にたどり着いたときの穏やかな心地でたとえたものです。小難しい言い方をすれば、ここで言う「家」とは物質的な家では無く、「本来の自己」ということで、人間は元来仏の心を有しているが、我々には執着がある為に、その仏心に気付けずにいるという教えに基づくものなのでしょうが、この穏やかに境涯に「家」というものを持ち出したところに私はとても興味を感じます。誰ですか?「俺は家が一番落ち着かない!」等と言っているのは!

お経を読んだり、適度な時間、坐禅を組んだりすると、心身の力が抜け、とても気分の良いものです。この心境がもともとの人の心なのでしょうね。 葬儀の際に使用する位牌には「新帰元」「帰元」という文字が、戒名に先立ち記されます。死というものは、自我を滅却し本来の自己に帰っていくものであると昔の仏教者は考えたようです。

 
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