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法螺貝 住職の法話

平成二十二年四月発行

『花祭り』

4月8日は、日本ではお釈迦様の誕生日とされる日です。花祭りという名前が生まれたのは明治以降のもので、元来は降誕会や灌仏会と呼ばれる法要が営まれ、甘露の水に見立てた甘茶を誕生仏に灌ぎ、お釈迦様の誕生をお慶びします。

 お釈迦様は生まれると直ぐに東西南北上下に七歩進まれ、片手は天を指さし、片手は地を指さし「天上天下唯我独尊」と仰ったと伝えられます。輪廻というものが現前とした事実である元来の仏教では、私達は迷いがある限り永遠に輪廻を繰り返し、この輪廻繰り返しこそが苦悩の最たるものであるとされます。

「私は世界の第一人者である。私は世界の最高者である。これは私の最後の誕生である。私は生と老と死の苦をうちほろぼそう。」これはラリタ・ヴィスタラという経典が伝える誕生の言葉です。この言葉は、お釈迦さまこそが優れた菩薩であり、悟りを開き、輪廻から解脱するのであるという意味が明白に伝えています。何度も生まれ変わり善業を積んだお釈迦様であるからこそ、悟りを開けるのであると言っているのです。

 輪廻という概念が薄く「天上天下云々」という部分だけが独り歩きしている感のある日本では、この言葉に対し様々な解釈が試みられています。一般的には、衆生(いきとしいけるもの)は個々に大切な仏の心を頂いているので、衆生それぞれが唯我独尊なのだという解釈が有力です。確かに草木国土悉皆成仏を根幹とする日本仏教の立場から理解すれば、天上天下唯我独尊こそは生命尊重の教えと言えるでしょう。「お釈迦さまだけが…。」から「すべてのものが…。」と変容したのが日本の仏教の特色なのです。

 堅苦しい説明が続きましたが、私はもっと単純に、お釈迦様の母上であるマーヤさんの耳には実に元気に生まれた吾子の産声が「天上天下唯我独尊」と聞こえたのだと思っています。なかなか子宝に恵まれなかった王子の誕生、帰郷しての出産。どんなにかマーヤさんは嬉しかったでしょう!誇らしかったでしょう!そう思うと「おぎゃあ!おぎゃあ!」という元気な声が意味深い教えの言葉に聞こえても不思議ではありません。経典の解釈というものは常に僧侶や男性の研究者が行ってきました。お腹を痛め子供を育てた女性ならば、私の解釈に賛同して下さる方も少なくないのでは?

 
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