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法螺貝 住職の法話

平成二十一年五月発行

『花園法皇の教え~温柔敦厚(おんじゅうとんこう)』

先ごろ東京国立博物館を会場に開催された妙心寺展は、妙心寺山内や妙心寺派由緒地の宝物が一堂に会し、観覧者も十五万人以上と、予想を上回る大成功をおさめました。数ある名宝の中でも国宝の関山号や瓢鮎図、狩野山楽の屏風などは特に人気の作品だったようです。私が特に興味深く拝見した作品は花園法皇が量仁(かずひと)親王(のちの光厳天皇)の為に訓戒を記した御宸翰『誡太子書』です。何故この作品に興味を抱いたかというと、現代日本人に最も欠けているものが、この中にあると思えたからです。

 この中で、花園法皇は親王に対し、「太子は宮中で大きくなり、人民の労苦を知らない。豪奢な衣服を着て、その衣服を縫ってくれた者の労を知らず、贅沢な食事に飽きて、農家の人々の艱難を見ることも無い。未だ国に対し功績を上げてもいないのに古人の残した功業によって王侯の上に立つことを、自ら愧じねばならない。」という意味の事を訓戒し、さらには温柔敦厚(おんじゅうとんこう=奇を求めず誠実にものごとを行うこと)を大切にして、条理に遵いものごとを行う事を教えています。

 私は中世という時代の権力者にこのような概念があったことを、日本人として誇りに思います。このような心得が政治家にもあれば少しは日本も良くなるのでは?

 
 
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