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法螺貝 住職の法話

平成二十年十月発行

『達磨大師の教え』

達磨大師は臨済宗や曹洞宗に代表される禅の教えを、インドから中国へ伝えた方であると信じられています。このことから禅宗では、達磨大師のことを初祖という敬称でお呼びします。

達磨大師の問答で有名なものに「達磨安心(だるまあんじん)」というのがあります。後に達磨の跡継ぎとなる慧可(えか)という人との問答です。崇山(すうざん)という山の洞窟で坐禅をしていた達磨のもとに一人の男がやってきました。男は達磨に弟子入りを志願しますが、達磨は黙して語らず、じっと坐禅をしたままです。深々と雪が降り積もりますが、達磨大師は雪などお構い無しで禅定を修しています。降り積もった雪が男の膝まで達しようとした時、男は何を思ったか、剣を懐から出すと、自分の腕を肘から切断し、達磨大師に差し出し、自分の求法の精神の固い事を示したのです。これには、さすがの達磨大師も慧可の求道心を認め、次のような問答をしたといいます。

(慧可)「私は心が不安なのです。私を安心させてください。」
(達磨)「それでは心を持ってきなさい。汝の為に安らぎを与えてやろう。」
(慧可)「心というものを探してみましたが、心は捉えることが出来ません。」
(達磨)「もう君の為に安心させ終わったぞ。」

あっさりとした問答ですが、悩みに悩んだ挙げ句、結局もっともシンプルなところにものごとは落ち着くというのは、古今東西変わらぬようです。腕を切り落としてまで、法を求めた慧可の深い苦悩を思いつつ、吟味して頂きたい問答です。

 
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