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法螺貝 住職の法話

令和七年十一月発行

「打ち出の小槌」

 打ち出の小槌!我々が良く知るおとぎ噺である一寸法師のクライマックスでは僅か一寸=三センチの身長であった一寸法師が鬼が落としていった打ち出の小槌により身長六尺、なんと百八十二センチとなったという描写があります。また大黒天もこの打ち出の小槌を持っていて幸福を招く宝物として古くから物語や絵画などに登場します。
 何でも夢が叶う宝物!一家に一つは欲しいですね!しかし現実は厳しいです。この世には打ち出の小槌も、ついでに言うとドラえもんのポケットも実在はしません。
 でも考え方によっては打ち出の小槌の「ようなもの」は身近にあるのです!
「抑(さて)も此の鍬は神代の初めより

形もかはらず雪中の竹の子
黄金の茶釜も此の鍬を以て
掘り出せり かかる宝の鍬を捨てて
及ばぬ事を願うべからず
田に畑に 打ち手の鍬の 小槌かな」
 こちらは瑞巌寺百二十四世で、かの乃木大将にも坐禅を指導したという南天棒こと中原鄧州老師が描いた鍬の絵に添えられた言葉です。
 「さてもこのクワという道具は古くから形がほぼ変わらず、雪の中のタケノコから金の茶釜まですべてこのクワで掘られたものだ!そんな宝の源であるクワを捨てて余計なことを考えるものでは無い! 田んぼや畑に振るクワこそ、本物の打ち出の小槌じゃワイ!」
 確かに困ったら原点に戻ること大切ですね。

 
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