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法螺貝 住職の法話

平成三十年十月発行

「一所懸命と一生懸命」

 一生懸命=「命がけで事にあたること。一心に骨折ること。いちずな気持になること。必死。」(日本語大辞典・小学館)、現在一般的に用いられる一生懸命という言葉は中世の武士の間で使われた一所懸命が変化した語句だと言われています。
 一所懸命の一所とは死活に関わる程の大切な領地のこと、後には恩給地なども含めて所領地全てを意味するようになったようですが、これを命懸けで守ることが一所懸命の元々の意味となります。
私は高校時代の恩師から日本史の授業の中でこの意を伺い、何故か非常に感動して、今でも拘って一所懸命という語句を用いています。
 言うまでもなく「一生」は時間を、「一所」は場所や空間を意味しますが、寺を継ぐ以外に人生の選択肢が無かった私にとって「一所」が寺と重なり、子供なりに心打たれたのでしょうね。また当時は様々な分野に才能を発揮するマルチな人が喝采を浴びた時代でもありました。あまり器用でない私としては一つの事を懸命のにやり通すこととも解釈出来るこの言葉が救いとも感じられたのかもしれません。
 多様化する日本社会にあって、この「一所懸命」という言葉はとても大切だと感じます。今は職業選択や生き方の個性が認められる世の中だけに、却って自分自身の在り方に迷う人も多いような気がします。時には物事に自分を合わせる柔軟さも欲しいところですね。どんなものでも一定期間継続することにより、その本当に良し悪しが理解出来る物です。若い方には「自分はコレ!」といものに出会えるよう幸運をお祈りします!

 
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