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法螺貝 住職の法話

平成二十八年一月発行

後人のため

 一月十日は臨済忌。宗祖臨済義玄(諡号は慧照)禅師のご命日です。
 臨済禅師の修行時代の逸話に「臨済栽松(りんざいさいしょう)」があります。
 境内の一角に松の苗を植えている若き日の臨済禅師の元に師匠の黄檗がやって来ます。
「こんな山奥の寺に松など植えてどうする?」
この師匠の質問に臨済は答えます。
「一つには寺の境内に風致(おもむき)を添え、二つ目にはこの作業が後世の人々の「道しるべ」になればと思っております。」
 これに続いて禅問答らしい師弟のやり取りがあるのですが、ややこしい事はここでは捨て置きましょう!この逸話を重んじ一部の専門道場では臨済忌に松を植えているのだとか…。常緑の松は禅宗の質実なイメージにぴったりです。
さて、東園寺の山を見渡すと、それこそ先人たちが山門におもむきを加えんとしてか、はたまた私達に緑陰を与えるためか、ケヤキやカヤの大木が生い茂っていますね。中でもあまり評判の良くないカヤは東園寺開山大林宗茂禅師がお手植えの木の子孫です。禅師が植えたカヤは江戸時代には塩釜の名木にも数えられていたようで、江戸後期まではその存在が確認されます。残念ながら西暦一四〇〇年以前には遷化されたと思われる禅師が植えた古木は枯れてしまったようで境内に存在しませんが、その子孫達が今も境内にあって緑を湛え、山門に風致を添えているのです。
 庫裏の前庭にある山桜の近くに小ぶりな沙羅樹があります。これは先日亡くなった私の弟が二十代前半の頃に挿し木で育てた苗を私が植えたものです。鐘楼の後にある躑躅も、彼が挿し木で育てた苗を私が地植えしました。最近は綺麗な花を咲かせるこれらの植物、これからも境内におもむきを添え、後の人の心を癒やしてくれるに違いありません。
 そう!彼の仕事は生き続けるのです。人間の一生は儚く短いものですが、場合によってはその人の為した縁はある時には風景となり、雄弁な活き仏と成り得るものだと思います。
ということでカヤの実。我慢して頂戴。

山主合掌


 
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