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法螺貝 住職の法話

平成二十六年三月発行

「彼岸会~お彼岸の実践」

 あの大震災から三年目。震災当日やその後の必死だった日々を思うと昨日のようであり、この三年間の出来事を振り返ると、もっと長い年月が過ぎているような思いに駆られます。被災地に生活する我々とって三月十一日は、犠牲者の方々の御心と、世界中の方々に頂戴した御恩をそれぞれしっかりと胸に刻む日であるのでしょう。
 三月の仏教行事と言えば彼岸会。もとは早良親王の怨霊を鎮める為に春秋の太陽が西に正中に沈む日を中日として、一週間にわたり金剛経を読経させたというのがお彼岸の嚆矢とされますが、江戸期以降はこの宮中の行事が一般化して、各家の先祖の供養として墓参りなどがなされることが一般化したようです。  
 彼岸は悟りの世界の事。これに対し私のいる迷いの世界は此岸(しがん)と言います。彼岸会に際し、彼岸の世界へと進む為の実践として、六波羅蜜が説かれます。
六波羅蜜とは
・布施(ふせ)他に施すこと。僧や寺への布施のみならず、他の恐怖を取り除き安心を与えること。
・持戒(じかい)戒律を守ること。
・忍辱(にんにく)堪え忍ぶこと。
・精進(しょうじん)一所懸命努力すること。
・禅定(ぜんじょう)一点に精神を集中すること。坐禅すること。
・智慧(ちえ)仏の智慧のこと。前述五つを仏の智慧により実践すること。
 以上ですが、それぞれに生活を持ち、社会生活を営む者として実践するのは難しい内容かと思います。しかし、それだからこそ彼岸会の年二週間に意識してこの一項目だけでも実践を心掛けては如何でしょう?お墓参りをするだけでも奇特な事であるといわれるような世知辛い現代でありますが、敢えて高い望みを皆々様に期待致したいと思います。  取り敢えず、坐禅でもどうでしょう?

 
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