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法螺貝 住職の法話

平成十七年八月発行

『 すべてのもの 刀杖を怖れ
すべてのもの 死をおそる
おのれを よきためしとなし
ひとを害い はた そこなわしむるなかれ 』

(法句経 一二九)

 これはお釈迦様の実際の言葉を伝えていると信じられる法句経の一節です。仏教は宗教戦争をしていない唯一の世界宗教といわれますが、このお釈迦様の金言に触れると、合理的に争いを避けるお釈迦様の智慧を垣間見ることが出来ます。「すべてのものが暴力や死を怖れる。自分がこれを怖れるように他人もまた死をおそれるであろう。であるから我々は人に害を与えぬよう、また人をして我々に害を与えさせぬよう勤めなければならない。」この言葉の面白いところは「はた そこなわしむることなかれ」というところでありましょう。他人に自分を害させぬよう努力せよというのです。この言葉に遵うかのように、イスラム勢力がインドに流入した際、インドの仏教徒たちは、全く戦うことなく北方へ逃げ去ったといいます。

今年は戦後六〇年の節目の年です。各所で平和を祈るイベントが開催されそうです。しかし、現在の世界の中での日本の立場や、隣国との関係を省みるに、すべてが悪循環で、ともすれば六〇年前の悲劇が再現されてもおかしくは無い状況に思えます。インドの仏教徒たちと違い我々には逃げる場所などありません。マスコミは視聴率や購買意欲をそそる情報を優先します。我々はよく深慮をめぐらし世の流れを注視し、時代の選択を誤らぬよう努力しなければなりません。

 
東園寺 所蔵書画

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